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平成21年のチームワーク

平成21年のチームワーク

社員からの相談は聞くだけでいいんです

青野慶久 サイボウズ社長

2009 / 11 / 20

 「会社や仕事に不平や不満があっても、周りに話を聞いてくれる誰かがいれば、モヤモヤした気分は晴れる」──。よく言われることですよね。

 それが理想的ではあるんでしょうけど、今の時代、気兼ねなく何でも話せる上司や同僚がいるという社員のほうが少数派かもしれません。

 そこで、我が社が導入しているのが「ランチミーティング」です。要は「社員の皆さん、何か言いたいこと、聞きたいことがあるなら、社長のところに来てください。一緒にわいわいお弁当食べながら、何でも話してよ」という意図で、5年ほど前から始めました。

 イントラネット上に公開されている僕のスケジュールを見て予定が空いていれば、一人でもグループでも自由に申し込めます。今は大体週に1回ぐらい予約が入りますね。

 話す内容はいろいろですが、仕事のやり方を巡って意見が合わないとか、人事考課に納得がいかないといった直属の上司に対する不満なんかもありますよ。上司本人に面と向かって言いにくくても、トップにはかえって話しやすいんでしょう。

 さて、そんなふうに不満をぶつけられた僕はどうするか? 結論から言えば、基本的には僕は何もいたしません(笑)。

 僕も社員一人ひとりの仕事ぶりをつぶさに見ているわけじゃないし、社員の言い分が正しいのかすぐには分からないじゃないですか。上司にも言い分があるだろうし、下手に「俺が話を付ける」なんて約束すると社内が混乱するもとになりかねませんよね。

 そんなわけで、社員に上司の愚痴をこぼされて僕が言うのは「そうか。それはもっと上司と話し合う必要があるな」、これだけ。社員にしてみれば、その上司と直接話すのがイヤだからわざわざ社長のところに直訴しに来ているわけで、なかには「えっ、それだけ? 青野さんが何とかしてくれるのかと思ったのに……」と肩透かしを食らった顔をする社員もいます。

 「それじゃ、何一つ問題が片付いていないじゃないか」と思うかもしれませんが、結構、解決するんです、これが(笑)。

 不平不満というのは、やっぱり他人に聞いてもらうだけで気が楽になるんですよね。洗いざらいぶちまけた後にすっきりした表情で帰る社員は多いし。

 もちろん意を決して上司と本当に話し合う社員もいますが、それはそれでウエルカムです。問題に決着をつける近道は、話し合うべき相手と話し合うことですから。あっさりお互いの誤解が解けて、理解し合えちゃったなんてこともありますよ。

 明快な解決策なんてなくていいから、トップは社員からの苦情をどんどん聞けばいいんです。それだけで、風通しが良くなりますよ!


青野慶久 プロフィール
青野慶久(あおの・よしひさ)
1971年生まれ。愛媛県今治市出身。大阪大学卒業後、松下電工(現パナソニック電工)に入社。97年に同僚3人とサイボウズを設立。2005年4月から現職

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