企業の栄枯盛衰はブランド・ジーン次第! 人にできることは限られている!!
「卵は、次の新しい卵を生み出すためにめんどりを利用する」。生物学に古くからある命題だ。本書はこの主客逆転の発想を使ってブランドの本質に迫る。すなわち、人間の都合や思惑とは無関係に、自分のやりたいこと(ブランド・エッセンス)を実現するために、ブランドに宿るジーン(遺伝子)が存在すると考える。
圧倒的な競争優位にあった企業があっという間にその地位を転落するのも、マーケティング理論から完全に外れているビジネスが大成功するのも、これすべてブランド・ジーンの振る舞い次第。その前では、人間の努力は無力に等しい。
経営者として、そして経営コンサルタントとして、長くビジネスの現場で繁盛の秘訣を追い求めてきた著者が、「こうすれば、こうなる」式の経営理論に疑問を感じて行き着いたのが、ブランド・ジーンだった。経営理論の限界を認め、理論では説明できない何か特別な力の存在を認めると、ビジネスの多面的な現実がよりはっきりと見えるようになる。ブランド・ジーンはいわば解毒剤。ビジネス書を頭に詰め込み、戦略的に考え、効率的に働けば成功するという誤った理解から自由になるためのクスリである。
本書はソニーからアップル、そしてグーグルへと宿主を変えたブランド・ジーンの振る舞いを詳述。『進撃の巨人』に、SEKAI NO OWARIに、矢沢永吉に宿ったブランド・ジーンの本質を解説する。
全く新しい視点からのビジネス論。
この本のテーマ:すべてはブランド・ジーンのなせるまま
ブランド・ジーンを信じる第一の理由:アップルの凋落
ブランド・ジーンを信じる第二の理由:現場は理論通り行かない
ブランド・ジーンを信じる第三の理由:なぜだか分からないが売れている
誰のための本:組織短寿命化時代のビジネスパーソンに
ブランドは違いを示す旗
箱根駅伝のたすき
テクニウムは人間を使ってテクノロジーを生み出す
テクニウムはが「都市」も生み出した
生命とテクノロジー
テクニウムはやりたいことを増やす
エレキギター誕生より先にビートルズの4人が出会っていたら?
テクノロジーとしてのブランド
3つの原則
「ピーマン食べたら、プリン食べていいから」シンドローム
寒風に晒される営業マン
3日間で6万人、驚きの集客力
歌詞に頻出する「戦争」と「死」
借金をしてライブハウスを作る理由
楽しんでいればジーンがやってくる
戦略も意図も仕掛け人もなく成功
なにもしていないのにうまくいく
<仮想実験> もしネコリパブリックをMBA的アプローチで考えたら
顧客は何を買うか
新しいテクノロジーがビジネスをリ・デザインする
価値を蒸留しよう
ビッグブラザーになってしまったアップル
ジーンは宿主を変える
もう、いい。目的は果たした
価値蒸留の方法
商店街は復活するのか?
植物の進化のように想像もつかないことが起こる可能性も
明るい倒産観をもとう
ソニーが輝きを失っていない世界
老舗から学ぶものは何もない
対の発想、圧(逆風)の効用