外見力 部下からの求心力を高める 経理部 課長 星野 知博氏

税理士事務所に従事した後、外食企業の経理マンに。店舗出店に関わることで不動産に興味を持ち、転職を決意。不動産企業に絞って転職活動をする中でサンフロンティア不動産の理念や哲学を知り、最終的には堀口社長との出会いで入社を決めた。2003年入社。賃貸営業部で2年間の営業マン経験をした後、経理部へ。現在は課長としてリーダーシップを発揮している。

「外見」に、はたしてビジネスを左右する「力」があるのかどうか。疑問視する人もいるだろう。しかし、「外見」とは何も造形としての見目麗しさばかりを指すのではない。表情や姿勢や仕草、そうしたものの重要性をサンフロンティア不動産は重視し、具体的な行動も実施しているという。異業界を経験した後にサンフロンティア不動産の考え方に触れ、その中身に強く心動かされたという星野知博氏に、自身の実践ぶりと部下への指導について聞いた。

――これまでの仕事で「外見力」というものを意識した経験はありますか。

星野 社外の方にお会いする際は当然ですが、社内の仲間と接している時も意識しております。なぜなら、当社は今までもこれからも人間力勝負だからです。人間力とは信頼関係を築く力です。自立した自己があったうえで、周囲に対する思いやりを具体的に行動で表す。そして、信頼を構築するうえでは、仕事の内容だけでなく、その人の仕草、表情、立ち居振る舞い、服装がどういうものかが重要であり、それにより、相手の受ける印象が全く違ってくるということです。つまり、これが外見力ということですよね。

――サンフロンティア不動産には、外見力にかかわる部分で、社内規定のようなものがあるのでしょうか。

星野 「スタッフ・ハンドブック」というものが、全社員に配られていて、その中に服装や身だしなみに関する項目も多数表記してあります。
 例えば男性の場合ならば、ワイシャツは必ず白色の無地。ネクタイや時計は華美ではない物。カフスボタンは禁止。ダブルのスーツの着用も禁止……などなどです。女性社員に向けても、髪の色やお化粧の程度など、細かに目安が書かれております。

――そこまで徹底している理由は、何なのでしょうか。

星野 不動産業界の人間は、ダブルのスーツを着て派手な装飾品を身につけている――。そんなイメージを持たれている方が少なからずいらっしゃいます。これは決して良いイメージではないですよね。ですから、そうではないことをきちんと表現することが必要なのです。また、自らがビジネスパーソンという自覚のもと、キチンとした服装をすることで、それにふさわしい人との接点が増えるようになります。さらに言えば、そうではない人が近づいてこないような空気を醸し出すことができるのです。

 結局のところ、「外見力」というものの実体は「その人の持つ心の美しさや周囲への思いやりを表現する力」なのだと解釈しています。自分たちを身の丈以上に見せる、という意味の表現力ではなく、私たちの仕事にかける思いを理解していただけるように表現する力。そのひとつが外見力なのではないでしょうか。

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外見力とはすなわち「内面を表現する力」

――スタッフ・ハンドブックには、ほかにどんなことが書かれているのですか。

星野 以前、「朝礼力」の記事でも登場したと思いますが、お辞儀の仕方や手の挙げ方などといった、立ち居振る舞いについても、理想的な形を解説しています。

――立ち居振る舞いもまた外見力というわけですね?

星野 もちろんです。服装について言えば、相応の服をそろえることで解決します。しかし「内面を表現する外見」は服装ばかりではありません。どのような振る舞いをするかが大切であり、正しい形、美しい見た目というものは、練習を積み重ねることで身につくものです。茶道や華道でもそうですが、ただお茶を飲めばいい、花を生ければいいというわけではなく、そこには作法があります。サンフロンティア不動産が朝礼や挨拶を重要視するのは、そうした外見力の向上を考えてのことでもあります。

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ハンドブックに記載された多様な「外見力」実践術

――しかし、若い社員の多い会社ですから、服装や行動について細かに指示されると、抵抗を感じる人もいるのではないですか。

星野 闇雲に「こうしなさい」というだけなら、そうかもしれません。しかし、ここまでお話しした通り、きちんと意義や意味があってのことです。経理部にも社員は9名いますが、私がその意義や意味をきちんと伝達していくことで、十分に理解してもらえると考えております。

 そもそも、ハンドブックは最近できたものです。それまでは、社員間で折に触れて「こうあるべき」というのを口伝してきました。しかし、そういう状態だと、人によって微妙にニュアンスが異なってきて、聞く側は戸惑います。むしろハンドブックの形にまとめあげ、全社員共通の基準が明確化したことで、私も含めて社員は納得しながら実践できるようになりました。

――ハンドブックには書かれていない部分でも、社内で外見力を学ぶ機会はあるのでしょうか。

星野 ありますね。やはり魅力的な外見力を備えている先輩や上司がいれば、真似をするじゃないですか。私の場合で言うと、堀口社長の姿勢の良さを見て真似ようとしています。

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行動によって心が変化する真似をして学ぶことも重要

――「マネ」ですか? 見よう見まねもまた外見力の1つだと?

星野 そう思います。私自身、昔から姿勢は良いほうですが、それにも増して社長は天井から糸で吊っているように、背筋がピンと伸びているんです。見ていて大変気持ちのいいものですし、真似をすると、気持ちがキリッとするのです。

 先ほど「外見力は内面を表現する力」だと言いましたが、逆もあると思うんですね。外見を整える努力、例えば真似るという行動で体現していく。そうすることで、今度は内面が向上するという効果もある。私はそう思います。

――先ほど、外見力が、社内外の人と会う際に、大きな意味を持つ、という話がありました。星野さんは今、経理部ですよね?
 あまり外の人と会わない仕事でも外見力は重要なのでしょうか。

星野 もちろん重要ですよ。社内の人間としか会わないから、といって気を緩めて外見にこだわらなければ、それが社内の空気も変えてしまうでしょう。それに、社内でのコミュニケーションにおいても、美しい心や周囲に対する思いやりの心があってこその外見力という力は、調和を生み出すことになります。これが協調性となり、生産性へとつながるのです。特に当社は、不動産の再生という事業を核としており、総合不動産業としてのトータルソリューション力が必要となります。そのために、売買仲介・賃貸仲介・プロパティマネジメント・建設・滞納賃貸料保証といった各部門の力を結集することが必要です。毎日会う職場の仲間だからこそ、お互いの信頼関係を築くうえで、外見力が必要となってきます。

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自らを律してただす外見力がコンプライアンスにもつながる

――例えば入社直後などに、外見に関することで失敗した経験はありますか。

星野 あります(笑)。当社では年に2回社内のゴルフコンペが開催されるのですが、そこにジーンズで行ってしまったことがあります。「会社の仲間だけだからいいだろう」という気の緩みがありました。

――でも、社内コンペならば、ジーンズくらいはいいのでは?

星野 ゴルフは紳士淑女のスポーツであり、ゴルフ場はそのような場であります。やはり、どのような場であろうとも、そこにあった服装や立ち居振る舞いというのが必要です。周囲への配慮を怠ったことに対して、先輩たちから指導してもらい、納得することができました。

――コミュニケーションにおいて、実際の自分を表現して、信頼を得る。行動を通じて自分自身を高める。以上の効果を聞いてきましたが、それ以外に外見力が功を奏する部分はありますか。

星野 私は、外見力の延長線上にコンプライアンスの実現もかかわっていると思っています。社長より教わった言葉に「脱線した電車は、そのまま走れば転倒する」というのがあります。言い換えれば、仮に電車が脱線をしても、その場で停車すれば、転倒はしないということです。最近よく耳にする企業の不祥事というのは、ここがポイントだと思うんです。

――どういうことでしょうか。

星野 何かが間違っている、ということに気づけば、問題があっても立ち止まって対策を考えることができます。もっと言えば「間違っている」と自ら認める心を備えているかどうか。多くの企業不祥事は、間違いを間違いだと認めることができず、脱線したまま走り続けてしまった、その結果だと考えます。

 ここまでお話ししてきた外見力の鍛錬というのは、実はどれも自分を律することで磨き高めることができる習慣なんです。「これでいいのだろうか」と考え、我が身をただしていく。つまり、外見力を高める努力をしている企業は、美しい心を持ち、思いやりにあふれ、それを事業として形にしており、コンプライアンスの実現にも結びついている。それくらい、大きな意味が外見力にはあるのだと思います。

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サンフロンティア不動産は、不動産再生事業リプランニング®をはじめとする企業活動を通じて社会貢献を追求していますが、こうした事業を日ごろ支えているのが若い社員たちであり、サンフロンティア不動産の何ものにも代えがたい財産であると考えています。豊かな心を持つ社員を育てることは、会社のためばかりでなく、私たちの大きな社会的使命でもあります。“人財育成”における私たちの日ごろの取り組みや考え方を、7回シリーズにわたって各部門のリーダーからご紹介したいと思います。

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